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RIDDLE JOKER 感想&レビュー動画
概要
2018年に「ゆずソフト」より発売されたゲーム。
幅広い層から支持を得ているゆずソフトの記念すべき10作目の作品。
非公開組織に所属する工作員でもある主人公が、アストラル能力を研究する「橘花学園」という学校に任務で潜入することから始まる恋愛アドベンチャー。
胸コンプレックス系ヒロインの「三司あやせ」をはじめ、とにかく女の子が可愛いです。
評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 6.5点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 5点
総合評価:35.5点(50点満点)
あらすじ
物語の舞台は「アストラル能力」という特殊な力が存在する現代。一部の人間がそれぞれに固有の超能力を発現しだしたって設定です。
離れた物体を移動させたり風を操ったり・・・。「僕のヒーローアカデミア」で言う「個性」みたいなものとイメージするとわかりやすいかと。
その「アストラル能力」持ちであり、非公開組織に所属する工作員でもある主人公は、アストラル能力を研究する「橘花学園」という学校に任務で潜入することになる。
しかし事情から学園の広告塔であり有名なアストラル使いである「三司あやせ」を警護しなければならなくなって・・・といったストーリー。
三司あやせの警護に一段落つくまでが共通ルート、そこか選択肢次第で個別のルートに分岐していきます。
アストラルという非現実的な設定こそあれど、内容としてはわりと王道な学園モノで、山場を除いては穏やかな日常パートが続きます。
キャラクター紹介
三司あやせ
偽物系ヒロイン。橘花学園の学生会長で眉目秀麗、品行方正な優等生。一生徒でありながら学園の広報兼アイドルじみたことも務めるような有名人です。・・・表向きは。
そう!実はこのヒロイン!胸の脂肪も性根も盛大に粉飾決算しているのです!実際はAなのになんとEにまで仕立て上げるその手際!まさにプロの偽乳!
でもまあこの偽乳をフックに、本音なり性格をいろいろ「偽装」をしているという設定を集中して深く掘り下げている点はキャラ設定として非常によかったと思います。
日常ギャグパートはもちろん夜のいちゃいちゃシーンでもこの設定が大活躍。主人公だけにはその偽りを取るっていうのも、ベタだけどやっぱりいいですね。
ただ良くも悪くも胸コンプレックス一点突破な印象で、もうちょい心理面を掘り下げて欲しかったかなとルートを通じて思いました。
在原七海
主人公とは血の繋がっていない妹で、人見知りだけど家事万能なしっかり者。体の傷を治す「癒やし」のアストラル使いであり、主人公とは単なる兄妹だけの関係ではなく同じ組織に所属する工作員仲間でもあります。
兄との仲は周囲からも呆れられるほど良好で、シスコン&ブラコンとからかわれてるほど。実は家族愛以上の淡い想いを胸に秘めているけど、長年それを隠して妹として接していることからも、幼馴染ポジションも兼ねているといえるかもです。
個別ルートではこの友達→恋人への葛藤ならぬ、相棒&妹→恋人への葛藤が大きなテーマ。
いじらしさと健気さがまあ、年下好きでなくても撃ち抜かれる可愛さなんですよね。
付き合い始めると大人の妖艶さで意外と向こうが主導権を握ってくるのもポイントで、エロイ爆弾発言も含めてプレイヤーのリビドーをわしずかみ。
話としてはアストラル使いとしての複雑な生い立ちを抱える主人公と七海が、事件を経て孤独から解放されていくんですが、その辺りがしっかり描かれていて恋愛要素以外の部分も良かったです。
でも何でオタク属性をあんなにマイルドにしたのはなぜだ。
式部茉優
めっさ可愛いお姉さんはあはあ。
なんと2回も留年している先輩で、落ち着きと包容力のありつつも、適度な悪ノリをかます余裕もあるザお姉さんキャラ。
萌えポイント的には年齢コンプレックスのある自称おばさん系ヒロインってことでしょうか。言うほど年上でもないんですが。
普段は大人ぶっているお姉さんが自信を失って自虐に震えてる姿とか、私的には性癖どストライクですね。
個別ルートの物語では学園の研究員である茉優とスパイの一種である主人公は、お互いの気持ちに反して立場としては相対する勢力なわけで、それぞれの事情を巡って鞘当てが起こりますが、そこをさらっと流さず恋愛ゲームにしては長い尺を割いて問題解決までの過程を描いているのは好印象。
付き合い始めるやお姉さんキャラを崩してべたべた甘えてくる展開も含めて、満足感のあるルートでした。
二条院羽月
正統派の大和撫子系ヒロイン。律儀かつ生真面目で常に助けを求める人に手を伸ばす正義感あふれる女の子です。
あやせが裏表あるのに対して、羽月はどこまでも直球な善人って感じ。でもいかがわしいことにも実は興味津々で、周りも引くような際どいことを口走ったりします。いわゆるむっつり属性。まあ真面目キャラはそこまででワンセットみたいなものですが。
あまりにも一本気な性格で、どんな温室で育ったらこうなるねんってくらい聖人ですが、ストーリーのなかではそのまっすぐさ故の葛藤にも触れられてますし、主人公がどちらかと言えば闇側の正義なので、それに対立する光側の正義という意味では良いキャラ造形かと感じました。
時代劇好きという設定をふまえてなのかラスト付近はやや熱めの展開になっていて、それも嫌いじゃありません。
壬生千咲
メインヒロインのうち誰かを攻略するとルートに入れるサブヒロイン。元気印のぺったん娘。アストラル使いではなく特殊な組織に所属してるわけでもなく、本当に普通の女の子です。
メインキャラクターがアストラルをはじめ複雑な事情を抱えがちな本作のなかでは、バランサー的な立ち位置とも言えるかも。
サブルートだけに本編ほどボリュームや物語の起伏がないのが残念ですが、意外と小悪魔で主人公が手のひらでころころされるのは良かったです。
総合レビュー
ストーリー 7点
主人公が潜入工作員という設定上、基本的には主人公を軸に話が進みますが、女の子とのイチャイチャシーンも十分に用意されていて、恋愛ゲームとして満足いくストーリーに仕上がっていると思います。
全体的にぱぱっと問題が解決しすぎな気もしましたが、あくまでギャルゲーでサスペンスとはちょっと違いますし、中だるみしたりするよりは良いテンポかなと。
任務と恋愛の間の板挟みも各キャラで共感できるかたちで描かれていたのも高評価。
一方で全体的にふわっとした日常描写が多いというか、オチが弱めなでベタな展開も多めなので、私的にはもうちょっとパンチやひねりのある話が欲しかったかなーと感じました。
定番モノ好きには良さそうです。
ワードセンス 6.5点
違和感があるとかでは全くないんですが、全体的にキャラクター同士のやり取りが無邪気かつ素直すぎてむずむずする点が気にはなりました。
具体的には「ごめん」、「ありがとう」、「よろしく」、「おめでとう」、「何かあれば言ってくれ」系の文言が多すぎるような・・・。
ちょっと同じフレーズが連続する部分もあって、シナリオは良かったですがワードセンスはそれほど高評価にしていません。
あ、でも日常パートに対して夜のいちゃいちゃシーンの言葉選びはめちゃ良かったですね。すごい劣情を煽る感じでよく考えられてるなって。
キャラクター 8.5点
各キャラヒロインとしてとにかく王道を捉えています。
主人公の前では優等生の仮面を外す生徒会長。
一途な思いを隠してツンデレ風味にふるまう妹。
普段は強かでも不意に余裕を崩す年上お姉さん。
生真面目で責任感強いけど実はむっつり同級生。
などなど、とにかくギャルゲーヒロインとしての男のツボを突く要素を的確に捉えてるかと。
強いて言えばみんな「誰かのために役立ちたいとか」行動原理が無垢な善人的で、小さいことにも感謝や謝罪をしたりが多くて、要は人間としてのエゴやえぐみが少ないのがちょっと気になったくらいでしょうか。
エロ&グラフィック 8.5点
ほぼマイナスポイントはなし。
個人的にゆずソフト作品は、グラフィックと立ち絵、CGの安定感はトップクラスだと思ってます。絵柄もSDも可愛いですね。
純愛系テイストゆえに基本的にラブラブなまぐわいしかないですが、特殊なプレイをお望みの貴君とかでなければ不満はないかと。
その他加点要素 5点
かなり教科書的な萌えゲーなので、奇抜なストーリー展開やオリジナリティーは少ないですが、その分誰でも遊びやすい仕様になっていると思います。
チャート形式で物語遡れたり、UIがちょっと凝っていたりと、ストレスなく遊べるような心遣いが素晴らしいと思いました。
評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 6.5点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 5点
総合評価:35.5点(50点満点)