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ワガママハイスペック 感想&レビュー動画
概要
「ワガママハイスペック」は2016年にまどそふとより発売されたゲーム。 同年の萌えゲーアワードで大賞を獲得した作品。まどそふとの代表作ですね。通称「ワガハイ」。
輝かしい才能がありながらもどこかひと癖あり、ワガママなところもあるヒロインたちとの学園青春ラブコメディー。人気が出たのか翌年には続編の「ワガママハイスペックOC(Ove r Clock)」が発売されました。
ちなみにアニメ化もしてます。というよりゲーム本編のリリースに合わせてアニメの放送が開始されるという、珍しいタイプの作品。
評価
- ストーリー : 7.5点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8点
- エロ&グラフィック : 8点
- その他 : 5点
総合評価:36点(50点満点)
あらすじ
学生でありながら週刊誌の漫画原作者としての顔も持っている鳴海幸樹は、ネタだしに追われて多忙な日々ではあるものの、妹や愉快な友人たちに囲まれながらそれなりに平和な日常を過ごしていた。
あ、漫画原作者ということは一部の身内をのぞいて隠しています。
主な理由としてはその漫画が「デレデレスクランブル」という、ToがLoveでるーみたいな
破廉恥ハーレム系漫画っていう点が大きいですね。
しかしある日事件は起こる。
なんと学園の生徒会長に漫画原作者という秘密がバレてしまったのだ!
それをきっかけにやむを得ずという感じで、生徒会役員に引き込まれてしまう主人公。
忙しない学生会の活動を通じて様々なトラブルに巻き込まれる中で、果たして彼は自分が空想する漫画のようなイチャラブハーレムにたどり着けるのか。
・・・・・といったストーリーです。
ヒロイン全員が輝かしい才能を持ちながらも、どこかワガママな女子ってあたりが特徴と言えましょう。
キャラクター紹介
鹿苑寺 かおるこ
学園を統べる生徒会長様。
当然ながら成績優秀で全校生徒や教師陣からの信頼も厚く、しかも良家の生まれという、リアル世界ではUMAより希少だが、萌えゲーの世界では逆に凡庸な設定とすら感じてしまう系のお嬢様。
しかしてその裏の顔は超人気イラストレーター兼作画家の「しかくん」。
とあるハプニングで素性が判明するまでお互い知らない同士だったけど、デレデレスクランブルの作画担当であり、主人公とは漫画制作におけるコンビという関係性です。
基本はマイペースな天然ボケ少女ですが、どこが強情で我の強さを感じるような一面も。
ぶっちゃけ可愛さにちょっとくせがあるかもです。
好みにささるかささらないが、けっこう分かれそうなタイプではありそうな気がします。
マンガ脳すぎるっていうか・・・いやれっきとした漫画家様なんですがね。
あとこれはあくまで個人的な感想ですが、かおるこルートはなんというか他3ルートと比べて、なかなか文章のテイストが独特だった印象。
最後に攻略したことも影響してそうですが、主人公もかおるこも妙に理屈っぽいというかひねくれてる気がして「あれ?君らそんな性格でしたっけ?」みたいなパラレルワールドに突入したような感を受けなくもありませんでした、汗。
わりと人の感情の黒い部分にスポットをあてる描写が多めなシナリオのせいもあるのかなあ・・・。
逆に言えばちょっとリアルさがあって、才能(スペック)に振り回される人の弱さ的なものも描かれてるので、作品を象徴するルートな気がして嫌いではないんですが。
図書館での一幕とか記憶に残るシーンも一番多かったです。
個人的には最後にプレイして他ルートとの落差を感じて欲しいかなと。パラレルワールド感をおぼえるのは私だけではないと信じたい。
桜木・R(ルーフォレット)・アーシェ
世界的なピアニストを母に持つ音楽科の同級生。
本人も国内のピアノコンテストで優勝したという実績もち。学生会の副会長を務める勝ち気で生真面目な優等生であり。会長であるかおるこに心酔しています。
なかなかな健啖家で常に何か食べるものを探している女の子。腹が減ると人格が変貌します。山田くんかな?
初対面で着替え中の姿を見るという、萌えゲー主人公必須の通過儀礼の犠牲者であり、最初はちょっと険悪な関係からスタートします。
出会いの経緯から察せられるようにヒロインの属性としてはツンデレ。
わりとソフトめですが。なにかと因縁つけてくるけどから回ってる感じですし。
最近のツンデレはこう、小物感というかザコ感とセットなことが多い気がしますな。
まあツンデレって萌え属性の王様ですみたいな顔してますが、冷静に考えるとめんどくさい情緒不安定な奴で、なにがしかフォローポイントいと好感を持ちにくそうですしね。
でもアーシェは非常にかわいくまとまってるツンデレだと思います。
実はMというのも私の解釈と合致。
キャラ設定的には他3人のハイスペックヒロインと比べて、他人と一線を画すような天賦の才の持ち主ではなく頭一つだけ抜けている程度の秀才で、凡人のような悩みを抱えている
という辺りがポイント。
一番主人公と目線が近いというか。
まあ一般基準だとアーシェどころか主人公もそうとうハイスペックなんですが(一方は学生なのに週刊誌に連載もってる先生様で、もう一方はコンクールで賞をとってる音楽家様)。
個別ルートのテーマは率直に言ってしまうなら自分探し、ですね。
純度の高い青春ストーリーになるので、青春アレルギーの人は悶死間違いなし。
鳴海 兎亜
妹にして主人公にとってのただ一人の家族と呼べる存在。
凄腕のプログラマーであり、なんかよくわからないけどお金を生むアプリとかを制作しているので目下鳴海家の大黒柱。
いちおう学生で主人公と同じ学校に通ってるものの、極めて怠惰な性格もあって不登校気味です。
ちなみに義妹とか妹みたいな存在ではないです。バッチリ血★縁!
この辺まどそふとは踏み込んできますよね、ハミクリのひよりんしかり。
普通はこう体裁のために血は繋がってないとかにしがちなのに、公式ページにもしっかり「実妹」と書いてあります。
私非常に好きな言葉です実妹、笑。
基本的にはドライで冷淡な性格ですが、過去に家庭のトラブルでいろいろあったことから、主人公とはただの兄妹を越えた深い絆で結ばれていますね。
ちなみに公式で行われた人気投票では1位を獲得しました。強い。
やはり妹キャラは最強なのか・・・。
宮瀬 未尋
兎亜の親友であり近所の洋食屋のひとり娘。
わりとハードな人生をおくっている主人公たち鳴海家を、幼いころから支えてくれた恩人のような女の子。
まあ年下系の幼馴染的なポジションと言えるでしょうか。
ハイスペックスキルは料理ですが、やろうと思えばわりと何でもできてしまうマルチ天才タイプ。
見た目こそ可愛い後輩ですが、主人公の困り顔を見るのが三度の飯より好きで、らんらんと目を輝かせながら無限にいじりまくってくるわ、隙あらばセクハラ冤罪をなするつけてくるわ、主人公のことをよくしゃべるパーティーグッズだと思ってるねじ曲がった性格です。
いわゆる小悪魔。
ときどき調子に乗るとかではなく、本当に物語の最初から最後までSキャラを一貫したのが良かったと思います。
冒頭の段階ですでに関係性が確立しており、もう恋愛なんて何年も前に卒業しましたみたいな、学生の頃からの縁で籍入れた熟練風若夫婦みたいなノリだから、これ共通ルート本当にあるんだろうかと思ってたら意外とちゃんと純情乙女でした。
すごいイチャラブしてた。
他ルートは登場人物が苦悩する描写もけっこうあるんですが、未尋ルートは鬱屈として展開がほぼなく、スパーンと爽やかな恋愛だけで突き抜けていったという感想。
ちょいS幼馴染に癒されるべし。
四月一日 奏恋
主人公のクラスメイトであり委員長。
サブキャラ含めのきなみズレている登場人物たちのなかで。数少ないまともな常識人枠。
演劇部員としてお芝居に青春を捧げています。
アーシェの個別以外ではそんなに出演シーン多くなく、キャラの掘り下げもそこまで行われませんが、たまーに腹黒さをのぞかせる子。
OCで攻略ヒロインとして格上げされて、ちらっと匂わせていた家族関係が明かされたりします。
総合レビュー
ストーリー 7.5点
ワガママハイスペックというタイトル通り、パッケージ通りのひと癖ある女の子たちとの
学園青春ラブコメディー作品です。
ファンタジー要素とかは一切なく、部活ものみたいに恋愛以外に何かしら一貫する目的を掲げているわけではないので、物語としてはそこまで派手さはなし。
その分恋愛面を含めて心理描写はかなりしっかりしてると思います。
とくに女の子のメンドクサさをきっちり描こうとしている感じがあって、そこが特徴であり魅力であると思っています。イチャイチャ要素も盛りだくさん。
なので恋愛要素を重視したい人はぞんぶんに楽しめるはず。
個別ルートはそれぞれ特徴的ですが、共通ルートはわりとベタめな展開が多い・・・かなあと。
いわゆるプールにいって水着がポロリとか、下着を買いに行くとか。非常にお約束感があると思いました。
それを平凡と思うか、いやこういうのでいいんだよと思うかは人それぞれかも。
それにしても何で萌えゲーヒロインは、あんなに下着を買いに行きたがるんさろうか。
ワードセンス 7.5点
常にハイテンション気味のノリの良い会話回しで、共通ルートから飽きずに読み進められるのがいいですね。
まあ冒頭からかなりぶっ飛ばしてくるので、落ち着いた作品が好みの人だと振り落とされる可能性もある、かも。でもそんなに人を選ばない気はします。
あとさっきも言いましたが、ルートによってけっこう文章のくせが違ったような。ライターごとの個性が出てるとでも言いますか。けっこう分業したのかな・・・。
さすがに内部事情まではわかりませんし、私がたまたまそう思ってしまっただけかもしれないですが。
だからといって世界観が壊れるとか違和感あるとかでは全然ないですが、なんかちょっと珍しいなと感じました。
キャラクター 8点
主要ヒロインたちについてはキャラ紹介で語った通りですが、ヒロインたちはもちろんサブキャラもなかなか濃い面子で良い味だしてました。
ほぼ名もないエキストラ含めて基本とにかく話を聞かずに、己の青春を主張する爆進者ばかりだったので、こいつらいっつも小競り合いしてんなって思いながらプレイしてたかもです。とくに共通ルート。
でもどのヒロインもブレずに自分のキャラ(ワガママ)を全うしたのは、作品とやりきった感じで良かったと思います。
グラフィック&エロス 8点
各ヒロイン内面はけっこう萌え要素を詰め込みつつ差別化をはかってみたいな、煮詰めてます感があったんですが、ビジュアルはなんか普通というかかなり萌えゲーのバイブルを守ってるような印象でした。
黒髪ロング生徒会長に、金髪ツンデレヒロインみたいな。
ちょっとアンバランスさすら感じたけどこれは意図的なんかなあ・・・。何にしてもハミクリと同じく宇都宮つみれ先生のイラストは素晴らしいと思いました。
サービスシーンの内容としてはオーソドックスなラブラブ系。
あんま変態的なものはないです。目隠しとかがちょっと入るくらいでしょうか。
あえて言うならヒロイン全員Mめなのが特徴かなと。
その他加点要素 5点
本作パッケージこそ明るいコメディーみたいな装丁ですが、終始お気楽なラブコメってわけではなく、主人公を中心に才能(スペック)の足りなさに嘆いたりクリエイターとして産みの苦しみにもがいたりするシーンもけっこう多いです。
次作のラズベリーキューブとかはけっこうだだ甘って感じでしたが、未尋ルート以外はけっこう重みがあるように感じました。
その点だけ知らずにやると「おっ」て思うかもしれないですが、キャラゲーとしての総合力はやっぱり高い作品だと思うので、興味がある方はぜひプレイして女の子たちに萌えてみてください。
- ストーリー : 7.5点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8点
- エロ&グラフィック : 8点
- その他 : 5点
総合評価:36点(50点満点)