目次
AMBITIOUS MISSION 感想&レビュー動画
概要
2022年に「SAGAPLANETS」より発売されたゲーム。
前作「かけぬけ☆青春スパーキング!」以来およそ2年ぶりの新作。
2017年に発売して大ヒットとなった「金色ラブリッチェ」と同じく、さかき傘氏がシナリオを手掛けたことでも注目を集めた作品。 少年漫画のような熱い展開が盛りだくさんの萌えゲーです。
評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 7.5点
- その他 : 6点
総合評価:38点(50点満点)
あらすじ
北海道の中核都市として発展する「沙幌市」。
市内の学園に通う「根津御影」はある日偶然に、いま街を騒がせている怪盗「ミス・アルテ」に遭遇する。
しかも良く見ればなんとその正体はクラスメイトのお嬢様「有瀬かぐや」だった。
彼女が狙うはアンビシャスと呼ばれる宝物。
華麗なら怪盗にハートを盗まれた主人公は自らも怪盗となり、彼女を助けることを決意する。
2人の怪盗が手を組む時、遥か昔から続くこの街の因果の物語が幕を開ける・・・といったストーリー。
冒険活劇ものラブコメといった感じでしょうか。
キャラクター紹介
有瀬かぐや
同じ学園に通う同級生。
街に多大な影響力のある有瀬家の娘であり、今後は街を取り仕切る当主になるとも目されているため、一学生ながら特別な存在。
普段はその肩書にふさわしく名家の令嬢風に振る舞っています。
しかし裏の顔は街を騒がす神出鬼没の怪盗「ミス・アルテ」。
とある目的のために沙幌市に伝わる財宝「アンビシャス」を盗み集めています。
そんな宝くじ必中能力をもった石油王の娘くらいの、あり余るお金持ちの家の生まれなのになんでそんな頓狂なことに熱を上げるのか。
その裏にある狂気とも言える執着の根底には何があるのか。
個別ルートではそんな話がメインになります。
明かされる設定も話の展開もたしかにまあまあシリアスなんですが、そこは基本路線はラブコメの本作。
ツンデレぎみの強がってる女の子が主人公にハートを根こそぎ奪われて、でれでれに陥落する甘々な展開も用意されてるわけでそんなに重い雰囲気にもならなりません。
ただイチャイチャしてるわけでなく、気持ちが寄り添う過程ときっちり物語の進展とかんでるのが良いですね。
石川弥栄
お隣に住んでいる学園の後輩。
どちらかと言えば打算的な思惑や奇行の目立つかぐやに比べて、いつでも素直で礼儀正しい良い子。
どころか頻繁に夕飯をつくってくれたりと、いろいろお世話までしてくれる会いきてくれる嫁。まさに人間ポケモンセンター。
しかしてその正体は街の裏の顔役にして、影ながら悪を成敗する盗人の天敵たる盗人、石川家の末裔。
ようは怪盗とは敵対する立場なんですが、いろいろあって協力関係となります。
単にいい子ってだけじゃなく微妙なメンドクササとか、口うるさい姉感とか、ひそかに尻に敷いてきそうなしたたかさとかが、絶妙なバランスで混在している感じが非常に魅力的ですね。
個別ルートとしては時代の影として消えていく一族の孤独を、同じく孤独を抱える主人公と乗り越えていくって感じでしょうか。
かぐやの衣装が派手なので薄れがちですが実はこっちの衣装の方がヤバイです。これ履いてる?
本郷虹夢
同じくクラスメイトのいけいけ黒ギャル。
美人と可愛さの両方をいいとこどりしたようなエロスの化身であり、天性の華とスタイルとコミュ力で常に人の中心にいるタイプ。
いわゆる女子におけるハイエンドモデルのひとつ。
他のメンバーと違って明確な理由や目的はなさそうですが、なぜか怪盗家業の手助けをしています。
見た目通りファッション系に強く、怪盗の衣装とかも彼女の息がかかってますね。
生まれ持ったカリスマ性ゆえに恩恵を受けつつも他者から値踏みされることも多く、その辺りの悩みが個別の焦点に。
なかなか現代チックな話をセンチメンタルにまとめたなという感想です。
・・・これまでの説明だと、どうしても金色ラブリッチェの妃玲奈がちらつくかもですね
正直細かい設定は違うけど、性格はもちろんぶっとんだ連中に混じる一般人という立ち位置とか、実は純情とか根幹の設定はかなり似ています。
虹夢の方がいろいろと掘り下げられている感はありますが。
有瀬あてな
かぐやの姉であり足が悪く病院で暮らしている有瀬家の令嬢。
こっちは裏表のない本物の姫で、俗世から確立された場所に囚われのような形で人生の長くを過ごしている生粋のお嬢様。
たぶん体液から化粧水をつくれます。
どポンコツど天然お嬢様ですが、実はかなり複雑で闇のある設定を抱えており、メインヒロイン3人を攻略すると現れるグランドエンディングルートを担います。
詳細はぜひ本編で。
え?これまた金恋の彼女が思い起こされる?
そうですね。でもこちらは理亜とはそれほどキャラや立ち位置がかぶらない印象です。
シャルロット・ディ・カーブホーン・イェーズ
通称シャル。物語途中からやってきた謎の後輩転校生。
竹をわったように明るく底抜けなポジティブさをほこる自称名探偵。
でもアホの子。
弥栄とは同い年で仲良しで、一見手のひらでころころされる子犬系のコメディーレリーフに思わせて、ある意味で物語でも屈指の強キャラであり、概念の枠にすら囚われない本作の最狂世界観ブレイカー。
まあ弥栄もわりとNARUTO世界の住人なんですが。ちびっ子二人が最強です。
でもアホの子。
カリストー・ミドベーチェ
通称カリス。凄腕アホ裸族最強くっころお色気ボディーガード兼エセ外人ドジっ子教師。
これぞ属性千手観音。ゆえにありとあらゆる状況でオチに使えます。シナリオライターには頼もしい存在ですね。
雑魚キャラっぽく登場してたちまち最強の座に君臨して、でも最終的にはギャグキャラ。
1回サービスシーンで活躍します。
総合レビュー
ストーリー 8点
謎の財宝「アンビシャス」を巡って過去からの因縁をめぐる、様々な人物が暗躍する群像劇といったお話です。
わかりやすいキーアイテム、修行パート、昨日の敵は今日の友的な展開、ピンチからのどんでん返しなど、少年漫画的なエッセンスが散りばめられてるのが特徴でしょうか。
物語の深層にあるある謎を小出しにしながら萌えゲーっぽいネタ要素、コメディ要素を織り込む構成はすごく良かったです。
サブキャラもかなりしっかりめに掘り下げたて見せ場も作るので、読みごたえは非常にありました。
反面細かく伏線を張りつつじっくりと物語を展開するため、スピーディーな流れを好む人だとちとじれったく思うかも。
ボリュームも十分ですしプレイするならしっかり腰を据えて臨むのをオススメします。
ワードセンス 8点
怪盗がテーマ故に多くの騙し合い、はぐらかし合い丁々発止のかけあいが描かれるんですが、それがカッコよく無理もなく描かれている点は素晴らしかったです。
決め台詞もかっこ良し!
金色ラブリッチェもそうでしたが、恋愛にとどまらない生き方みたいなテーマも含むのでラストの展開は胸熱でした。
好きという言葉に頼らない告白シーンとかも上手いと思いましたね。
注意点をもしあげるなら、怪盗もの、探偵もので有名な作品をモチーフとしたキャラやパロディがそこそこ出るくらいかなと。
例えばばっかもーん!の人とか。そこまで鼻につくようなレベルではないですが。まあパロディは萌えゲーの華でもありますし。
でもフェチとかオタクサブカルネタが多いのは萌えゲーっぽくてめっちゃ良かったです。「男の娘」とか「NTR」談義とか。
キャラクター 8.5点
ヒロイン含めて各キャラ魅力がありました。
それぞれ個性的ながらあんまり特定の方向に尖りすぎず、絶妙なバランスの良さを感じましたね。
とくに弥栄は可愛すぎる。
あとカリスさんをはじめシリアスな空気が立ち込めたら速攻逆ハンでフラグへし折る三バカ烏(シャル、カリス、小十郎)も、重めなストーリーを中和するいい役だったと思います。
グラフィック&エロス 7.5点
お約束のHシーンですが、この点は最初の予想と違いました。
意外と少年漫画な世界観に対して、内容のエッジが効いてるんですよね。
3P、Exit攻め、聖水、緊縛、道具、スパンキングなどなど。
もちろんノーマル系も用意されていますが、ライト目のアブノーマル系も充実のラインナップです。
でも思い返せば金色ラブリッチェもけっこう爛れてましたか。巷では泣きゲーとか言われてましたがプレイはけっこう変態っぽかったような・・・。
あと弥栄ルートでは絶対にあっちだと思ってたフラグが裏切られて、それが本ゲームで一番望外の喜びだったと伝えておきます。
例えるならBLTサンドを注文したのに親子丼が出てきたみたいな。
その他加点要素 6点
トータルではかなり良作だと思いますが。同時にどうしても金色ラブリッチェの影がちらつく作品でもあるかなと。物語としてはきっちり独立してますが。
実際にレビューサイトでも「金恋と比べて●●」みたいな意見もちらほらありました。まあ原画もシナリオもほぼ同じ人なんで当然ではありますね。
私はこの点あまり掘り下げないようにしますが、金色ラブリッチェと比べてキーメッセージがよりライトな部分に設定されてるので、とっつきやすさは本作の方があるかもですね。
ラブコメは好きだけど燃える展開も好きな方にオススメです。
評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 7.5点
- その他 : 6点
総合評価:38点(50点満点)
[…] 可愛さで人を殺せる。AMBITIOUS MISSIONの解説記事でも言いましたが、弥栄ちゃんはただ可愛い年下の女の子というわけでなく、非常にいろんな一面をもつお気に入りヒロインです。 […]