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天使騒々 RE-BOOT! 感想&レビュー動画
概要
『天使騒々 RE-BOOT!』は2023年にゆずソフトから発売されたゲーム。
R-18ソフトとしては「喫茶ステラと死神の蝶」以来、約3年ぶりの新作・・・ということで、情報が公開された去年末には大いに賑わいました。
今回は異世界やら天使やら魔王やら、直球な言葉の並ぶファンタジーもの。クラシックな萌えゲースタイルを貫く老舗ブランドですが、今回は今風のトレンドを随所に取り入れた意欲作という印象です。
評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 4点
総合評価:35.5点(50点満点)
キャラクター紹介
白雪乃愛
別名サブカル堕天使リリカル乃愛ちゃん。
真面目、ややロリ、天使、僕っこ、ぺたんこと、ことごとく属性が好みに刺さらなかったので、事前情報の段階ではあんまり期待してなかったんですが、出てきたら普通に「おおおお可愛いやん」ってなりました。
ビジュアルもいいけど声が非常に良いですね。甘すぎず高すぎず落ち着いた感じが、天使というキャラ設定の異質感を上手く和らげている気がします。良いキャスティングですよ、ゆずソフトさん。
汚れなき天界で純粋培養で育ったゆえに、人の世界の営みについて最初は知識が皆無でしたが、サブカルにどっぷりはまって邪な心を開眼していきます。
ぽわぽわ純朴少女を私好みにカスタマイズ(調教)したいです先生!
そして天罰を下されたいです師匠!
そしてその愛されペット系堕天キャラを物語を通じてしっかり貫いて、全編を通じて笑いを提供してくれたあたりに歴代のセンターにひけをとらない、ゆずヒロインらしさを感じます。
ゆずソフトのセンターはわりと体を張って、汚れもいとわず笑いをとるイメージありますね。主にあの人とかあの人とか。
私的にはゆずソフトヒロインでいちおうは天使属性なのに、敬語キャラじゃなかったのもポイント高いですね。それによって距離感がちょうど良くなった気がします。
谷風 天音
外ではちょっと人見知りなものの普通の女学生だが、家では妹というポジションの強みを骨の髄まで理解しつつ、最大限に利用してあの手この手で兄を弄んでくる妹。
CVは前作で圧倒的な人気を誇った四季ナツメ役の夏和小さんが続投してますね。決め台詞は「ざぁこ♡」。
殺る気まんまんゆずソフトさん。
最初にプロフィール見た時からあまりに狙いすぎというか「そんな火力積まなくてもユーザー堕ちますよ?」、「オーバーキルドロップ狙い?」ってくらい萌え度を節操なく過剰搭載していて戦慄しました。
最近のトレンドのひとつであるメスガキ・・・が意識されているようですが、そんなに憎たらしいほどガッチガチのメスガキってほどではありません。
まあゆずソフトですし、あんまM向けすぎてもびっくりされちゃいそうですが。
ゆえに最終的にはしっかりデレますが、結ばれるまではそこまで甘さを見せず、小生意気でちゃっかりした年下キャラを維持してたのが良かったですね。
ちなみに妹キャラなので寧々さん(オナニー)担当でもあります。ゆずソフトの鉄板ポジション。
小生意気で素直になれない妹が兄を思って・・・という展開はもはやお約束とか鉄板とかではくくれない、もはや絶対不可侵の理(ルール)といっても過言ではないでしょう。
あとサービスシーンがかなりアグレッシブというかかなり攻めっけがあってビビりました。いやマジで白目諸手Vサインとかするんじゃないかとハラハラ。
絶対にナツメさんの時に味をしめたんだと思います。
CGとSDも全体的にモニタークラッシュしたくなるほど可愛かったですし、なんというか制作側の癖と愛を感じたキャラでした。
小雲雀 来海
主人公のクラスメイトでありこの世で一番モテるタイプの女。
ギャル特有の華と明るさがあるにも関わらず、カースト上位らしい選民思想がなく、他者への気遣いと恥じらいを捨てていないという、いくら食べても太らず健康にもいい焼肉みたいなフィクションでしかありえない掛け合わせのヒロインです。
真面目、引きこもり、誘惑お姉さん、堅物と、しっとり系のヒロインが多い本作の中で明らかに陽に突き抜けているキャラで、暗い雰囲気に傾きそうなとき現れて闇を祓ってくれます。
普通のクラスメイトに見えるけど前世が魔王の付き人であることから、魔力の感知と制御に優れており、個別のストーリーもなかなかこうセンシティブな心の問題を扱うような話になりますね。
テンションと勢いで話がちなところがあるから清楚枠のくせに意外と下ネタトーク担当。ゆず作品には歴代こうそういう役回りのキャラがひとりはいるイメージがありますな。
サノバウイッチ:憧子
千恋万花:レナ
リドルジョーカー:羽月
喫茶ステラ:愛衣(栞那?)
CVはハミクリのひよりんでお馴染みの柳ひとみさん。
今回もめちゃ上手かったですが、ひよりんが良くも悪くもプレイヤーの脳に消えない爪痕を残すタイプのキャラだったので、ハミクリやってると「ひ、ひよりんが清楚なギャルになった・・・」ってゴーストが囁きかけてくるのがたまに傷かもしれないです、笑。
星河 かぐ耶
異世界からとある目的のためにやってきたお姫様。
ワールドクラスのスタイルを存分に生かしつつ、妖艶さな仕草に大人っぽい余裕と挑発的なセリフで主人公にぐいぐい迫ってきます。
年齢は伏せられてはいるものの、ポジション的にはまあ年上枠ですかな。
ゆずソフトの年上ヒロインは最初はわりとお姉さん風吹かしますが、即ボロが出てあっさりKOなのが定番ですが、かぐ耶はちゃんと強キャラ感が持続しますね。
茉優パイセンのように年上の仮面が完全に剥がれてにゃんにゃんになってしまうのか、それとも最後まで頭が上がらずにころころされるのか、それは君の眼で確かめてくだされ。
総じて異世界人、ケモミミ、姫と設定こそ尖りめですが、中身はちょっと奔放なくらいで良識的なしっかり者で。天音とは逆に一番盛ってない素朴なお姉さん系ヒロインって印象でしょうか。
CVは何度も出演しているお馴染みの遥そらさん。何か遥そらさんの声そのものがゆずソフトというブランドと合ってる気がする。
高楯オリエ
嫁になってほしいです。ただそれだけを望みます、現場からは以上です。
いや可愛かった。当初は先生推しの予定でしたが、予想外に可愛くてやられてしまいました。
かぐ耶の付き人としてやってきた常時眉を吊り上げてる雰囲気のある堅物執事系ヒロイン。
ガウガウ吠える感じで早口で叱ってくれるのがいいですね。たぶん男をダメにするタイプ。あの子に罵倒されたいからついついふざけちゃうみたいな。罪作りな女よ。
パッと見クールだけど意外と取り乱しやすくて、地雷を踏むと瞬間的に沸騰して暴走します。そしてすぐに自己解決して冷却します。さながら蒸気タービンのごとく。
でも根っからの堅物というわけでもなく、むしろ本来はけっこう茶目っ気のあるタイプ。
発売前情報だと何か普通すぎて「攻略ヒロインっぽくないなあ」という感想でしたが、振り返ると非常に良かったです。好き嫌いで言えば本作で一番好き。
真面目系ヒロインとしてはわたしの萌えゲー人生の中でも、トップクラスにランクインするかも。
ロジカルなんだけど不器用で、こじれてるんだけど可愛い。さらに懐入ると子犬のような素直さと無垢さを見せてくれつつ、夜のシーンでは焦らし攻めまでしてくれるという贅沢仕様。
こういう「普通に可愛いヒロイン」というのがゆずの真骨頂と思います。
ストーリーとしては変化、がテーマですかね。サブヒロイン枠だから基本イチャイチャしてただけはあるんだけど
百里 風実花
新米の教師として胃の痛い日々を送っているお姉さん。
ノースリーブの脇がまぶしすぎて、私はその服の繊維の一部となって脇を見守る仕事につきたい。もしくは髪のお団子を束ねるひもでも可。
まずデザインがいいですね。素晴らしい。
年上キャラらしい色気を持ちつつ、決して可愛らしさを損ねない絶妙なバランス。
いいよ先生、その恥じらう顔!
その拗ねた感じもいいね!
「普通高校教師 ふみか」で写真集を出そう!
残念ながら個別ルート以外での活躍はかなり少ないものの、立ち絵を見ているだけで幸せになれるので満足です。
CVは明羽杏子さん。ED曲も自前でも歌ってますね。
HULLOTの最新作でもセンター兼主題歌を担当してるから、業界としても歌唱力こみの声優さんとして捉えてる気がします。
総合レビュー
ストーリー 7点 ワードセンス 7.5点
ストーリー面は正直な感想を言うと、うーん・・・良くも悪くもないといった感じでしょうか。
まず良かった点から言うと、恋愛パートは良かったです。この辺はさすがゆずソフトといった感じ。
ベタなんですがそれが良くて、各キャラの可愛さを引き出していたなと思いますね。
過去作と比べるとルートにもよりますが、わりと恋愛パートがナチュラルめというか。いかにも萌えゲーだなあみたいなコテコテの展開が少なめで、わりと温度低めなテンションでやり取りしてるのが、最近の萌えゲーっぽいなと感じました。
とくに来海√とオリエ√が良かったです。
ということで恋愛パートは文句なく良かったものの、もうひとつの軸である魔王とか転生とかを絡めたファンタジーパートの方は、「良」・・・とは言いにくいかもですね、正直な感想を言えば。
まあファンだから期待値高めだったということもあるかもですが。
ただ異世界とか天使とか世界観の風呂敷を広げたわりには、前世まわりのくだりとか各キャラのバックグラウンド的なものをあんまり掘り下げないので、ちょっとストーリーに共感しにくかったんですよね。
かつオチもけっこうエイヤっと力業で解決してしまったため、何とも言えない感じで終わってしまったという感想。
本作主人公が魔王の生まれ変わりということで、一種の呪いを受けた状態になっているということが、恋愛パートにおけるかなり重要なポイントとなっているんですが、そのギミックを搭載させたかっただけなら、別に異世界とか持ち出さなくても良かったんじゃないかなー
・・・とか思ったり思わなかったり。
恋愛パートが良すぎる分ちょっと落差を感じてしまって、異世界の話とかほとんど交えずコンパクトに恋愛面にだけ焦点をあてていたサブキャラのオリエ√と風実花先生√の方が、逆に記憶に残っているような気さえします。
決して悪いってことはないんですがね。本作いろんなレビューでも見かけるよう、現代のトレンドに合わせていろいろ要素を取り入れようと苦心している感じがするんですが、ストーリー面だけに関して言えばそのためにちょっとまとまりを欠いてしまったような印象を受けました。
キャラクター 8.5点
各ヒロイン解説でもだいたいプラスのことを言っていた通り、キャラクターはいずれも非常に良かったなと思います。
ストーリーと同じく今の流行を積極的に取り入れている感じですが、根っこはゆずソフトらしいどれも教科書的に可愛いヒロインって基本線は変わらない感じ。
賛否の「否」の部分を極力排除した誰でもでも好きになれるデザインだなあって思います。
個人的な感想を言えば声優さんの使い方が上手いというか、なんかもうCVありきでキャラデザしてません?・・・みたいに思いました。とくに乃愛、天音と来海あたり。
いや私も制作側じゃないので、萌えゲーのキャラがどういうプロセスで作られるかは知らないですが、本作に関してはまず「柳さん使いたい!」・・・みたいな希望があって
→華やかで特徴的な声を活かしたい
→ギャルだな
的な感じで作ったんではとか、プレイしながら思ってしまった。
天音に関しても言うなら「うんわかってるユーザーたる、君たちの需要は理解している」
→夏和小さんにざあこ♡って言われたいんだろ?
→言わさねば(使命感)!
→メスガキ妹だ!
みたいな。まあ要はCVも良かったですということです。
グラフィック&エロス 8.5点
グラフィックの可愛さもまた、ゆずソフトの人気の根幹となっている部分だと思いますが、この点は過去作と変わらず良かったと思います。
その上で本作において感じたことをいうなら、けっこうセクシー路線を強めに押し出してるなみたいな感想ですかね。
サービスシーンの内容とかもところどころちょっとマニアックな要素を取り入れてる感じですし。いや他の作品に比べたら全然純愛系ノーマルですが。
でも頑なにケモミミ攻めはしないのは何某かのこだわりがあるのだろうか。私は芳乃さんの耳を責めなかったことを今でも恨んでいます。本作のかぐ耶さんもなぜ小ネタだけで流したのですか?
あとやっぱりこもわたさんのSDですかな。作品の魅力をめっちゃ引き立ててます。
萌えゲー、とくに最近の作品ってSD画をいれるのがふわっとした暗黙のルールみたいなとこがある気がして、作り手側もユーザーも
「まあ・・・一般的にはあるものだよねー?」みたいな空気が漂ってるゆえにかどうなのかわからないですが、ぶっちゃけ予算もないしこだわりもないけど無いのも体裁が悪いし何となくいれました・・・的な
「いや、SDやっつけすぎだろ」って思う作品も時おりあるんですよね。私的には別に無理にいれんでもいいだろと思ってるんですが、それはともかく。
ゆずソフト作品のSDはクオリティーがしっかりしてて、数も多いし場所もよく選ばれてるし簡易的なアニメもついてると、SDの使い方は数あるブランドのなかでもトップクラスとか思ってます。
その他加点要素 4点
全てを振り返って感想を言うと、シナリオゲーとしてはそこそこで千恋万花とかの方が良かったけれど、キャラゲーとして見るならやっぱり優れていると思いますし、色んな人にオススメできます。
今後はキャラゲー寄りで頑張りたい・・・のかなあ?
何かそっちの方に体重がかなり寄ってるような作品に思えましたね。
総合評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 4点
総合評価:35.5点(50点満点)