目次
「ソープランドのはっしゃくさま」をプレイしての感想
概要
「ソープランドのはっしゃくさま」は2023年に4月にHendingより発売されたゲーム。
この月は「天使騒々」に「アマカノ2+」という2大巨人が発売されたので、ちょっと埋もれた感じもありますが、私は非常に面白かったです。体験版をプレイした感じやたら心惹かれたのが購入の決め手ですが、その直感は正しかったですね。
内容としては「はっしゃくさま」という、都市伝説の怪物がタイトルにふられているように伝奇もの。あまりにも不憫な人生を送る主人公が、この世の者とは思えないほど美しい2人のソープ嬢と出会い、ミステリアスで愛と淫蕩に満ちた日々をおくる話です。
原画: たこねる
シナリオ: 虚空北星
ジャンル:超絶不幸な青年が高身長怪異ソープ嬢に愛で飼われるADV
キャスト:
白砂菓夏海(唄穂)
葵時緒(宝香)
奥寺かすみ(速水 寧音)
総合評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8.5点
- キャラクター : 7.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 3点
総合評価:35.5点(50点満点)
良かったポイント①とにかくワードセンスがいい
萌えゲーってやはり一般的な文学作品(小説、ラノベ)とかと比べると、一部を除いて読み物としてのクオリティーが一枚落ちる部分は否めず、言葉選びにちょっと安っぽさが出てしまう部分はどうしてもあるんですよね。
とくに抜きゲーよりの作品の日常描写とか、平板すぎて僭越ながら自分でも書けるんではと思ってしまうことも(そりゃ作品として力を入れる部分でないことは理解してるんですが)。
ただ本作は抜きゲーみたいな雰囲気を漂わせているのもかかわらず、その辺のシナリオゲーよりもワードセンスの良さを感じました。
シリアスなパートはもちろん、合間に挟まるギャグパートも良い。萌えゲー特有のパロディーは織り交ぜられるんですが陳腐だったり、使いまわしているような風味が薄く、最後までとても楽しめました。
ライターの「虚空北星」さんの名は聞いたことないですが、普段は非エロ作品とかで活躍されているのだろうか。と気になってしまうくらい力を感じましたね。
湿った人の業が根底にうごめく物語なので決して明るい雰囲気の作品ではないですが、きちんと愛と救いはあるのでそれほど人を選ぶシナリオでもないかなあと思います。
良かったポイント②主人公に強く共感できた
本作の主人公は「八房」という超絶ハードモードな人生のなかでもがく青年なのですが、彼があまりに健気でまっすぐなんですよ(泣)。
壮絶な運命に翻弄されても恐怖に足がすくんでも、それでも未来のために誰かのためにもがく姿に心が震えました。あまりに幸せになって欲しすぎる。
まあ純朴青年すぎる点については好き嫌いあるかもですけどね。事前に体験版でどんなものか確認しておくと後悔しないかもしれません。
良かったポイント③アニメーションも素晴らしい
あとHシーンにも力が入っています。というより何だかんだ抜きゲーに分類されるとは思うので、抜きゲーなのにシナリオめちゃくちゃ頑張ってると言うべきか。
Live2Dアニメーションが20か所もあり(日常のちょっとしたシーンも含む)、非常に贅沢なつくりでした。絵柄やキャラデザが好みであれば、すごく満足度高いと思います。
マニアックなプレイも少なくないですが、ちゃんとノーマルなHなプレイも用意されてるので、うわちょっと上級者すぎてダメだわともならないかと。
注意点
軽度のオカルト要素がありますと公式ページに注意書きがあるように、本作は多少のホラー要素があります。ただ分量的にはわずかです。シルキーズプラスWASABIレベルってことはないですね。それこそ「きまぐれテンプテーション」みたいな。
注意書きしなくてもいいくらいかなあ、とは個人の感想(世にも奇妙な物語でビビる筆者でも問題なかった)。あ、ソープランドの話ですがNTRみたいな愛の裏切り的な展開も発生しませんのでその点もご安心ください。
どちらかと言えば「ヒロインのキャラデザ」、の方がプレイにあたっての壁になりそうに思います。
本作のメインヒロインは天真爛漫でエキセントリックな言動を繰り返す、超絶スタイル高身長女性こと「宝香」さんと
淑女のような慎みと母性をもつ、これまた超絶スタイル高身長女性こと「唄穂」さんの2名でHシーンは彼女らとだけです。
こういうダイナマイツが大好物って人は問題ないかもですが、そうでないとちょっと胸焼けするかもしれません。
そしてビジュアルもそうですが宝香さんの方はこの体のくせにかなり天然かつ幼い性格で、逆に唄穂さんの方は(基本的には)ママみが強すぎると、中身も万人受けするとは言い難いんですよねえ・・・。
普通で清楚な子が好みですって人は合わなそうなので、この点は注意かなと思います。
おわりに
というわけで「ソープランドのはっしゃくさま」のレビューでした。
少し変わったコンセプトの抜きゲーだなあというのが最初の印象でしたが、その期待を大きく超えてきた個人的には掘り出し物の萌えゲーでしたね。
ストライクゾーンはやや狭めかなと思わなくもないですが、はまれば「抜きゲーなのにシナリオも良い!」、「シナリオ目的で買ったのにエロシーンでも満足!」と良いとこどりとなりそうな1本です。
総合評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8.5点
- キャラクター : 7.5点
- エロ&グラフィック : 8.5点
- その他 : 3点
総合評価:35.5点(50点満点)