目次
D.C.4 Plus Harmony 感想&レビュー動画
概要
2021年に「Circus」より発売されたゲーム。
萌えゲー界に金字塔を打ち立てた「D.C.(ダ・カーポ)」シリーズの最新作であり、2019年に発売された「D.C.4」の大人向けアダルト版。
声優さんが一新されると同時にもちろんサービスシーンも追加されています。むしろそちらが本編(暴論)。
「この恋は、世界を変える」というキャッチコピー通りの壮大な恋物語が、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせる世界にて綴られます。
評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8点
- エロ&グラフィック : 6.5点
- その他 : 5点
総合評価:35点(50点満点)
あらすじ
今回の舞台は美少女しかいないことで有名な初音島ではなく、香々見島という場所。
そこに住む主人公は常坂 一登(ときさか いちと)は、その人の本質的な表情を懐中時計の鏡に映せるというささいな魔法を使えること以外は、実に凡庸な生活をおくっていた。
うだつの上がらない現状に嘆きつつもとくに何もしないという典型的な学生だったが、あることをきっかけに人助けにやりがいを覚え「SSR」という人助けを目的とする同好会を立ち上げる。(ソシャゲ中毒者かな?)
そのSSR活動を通じて周りの女の子と仲良くなっていくが、実はその女の子は主人公の過去とも関わるとある秘密を抱えていて、世界を救う壮大な恋物語へとつながっていく・・・といった話です。
キャラクター紹介
本作は7人のヒロインがいますが、センターたる「鷺澤 有里栖」以外は関係性的にもストーリー進行的にも対となっている相手がいます。ゆえに一人一人ではなくペアで紹介していくことにします。
「常坂 二乃」、「逢見 諳子」
「常坂 二乃」は主人公とは血の繋がっていない妹。もちろんギャルゲーの例にもれず兄への好意は初期値でカンスト。
そのナイスバディで序盤から痴・・・、小悪魔のように主人公を誘惑してきます。事あるごとに突っかかってくる様はもはや、ブラコンと言うよりヤンデレ気質に片足を踏み入れていると言えましょう。
「逢見 諳子」は姉枠、もといママ枠のヒロイン。主人公よりひとつ年上で料理の腕前はプロクラス。天井知らずのやさしさと慈愛で常坂家を支える完全無欠のお姉ちゃんですね。ど天然で極度のメカ音痴なことは個性です。
家が近所なこともあり家族同然で暮らしています。血の繋がってないセクシー妹と包容力満点の幼馴染お姉ちゃんに囲まれるとか、前世はガンジーですか?
それで、このほぼ家族同然に暮らしてきた2人との個別ルートのテーマは、ひとことで言えば「呪い」でしょうか。
血縁でない3人がどうして家族という絆を結ぶに至ったか、そこには純粋な思いやりだけでなく、運命のいたずらとも罰とも言えるような事情が絡んでいて、そんな2人と家族でいるべきという呪縛をほどいて、恋人として関係を再構築していくまでの話が描かれます。
「白河ひより」、「美嶋未羽」
「白河ひより」はかつては大名として君臨した名家の娘で、有里栖とも引けをとらないお嬢様。なんだけど自ら恋愛請負人と名乗って他人の縁結びに心血を注いでおり、風紀委員と連日けたたましく追いかけっこを展開する問題ガール。
その傍若無人なふるまいで周囲から奇人として扱われています。通称「残念美人」。まあ生徒たちを辻斬りがごとく襲撃して「恋愛執行じゃあ!」銃をぶっぱなしちゃあさもありなん。ジト目がめちゃくちゃかわいいです。
「美嶋未羽」はひよりの幼馴染であり、風紀委員長代行として校内の秩序を守る学園の良心。清楚、誠実、可憐、初心、小心者、無防備、男性恐怖症を兼ね備える超正統派のお嬢様です。
何だけど何故か学園ではピカチュウを追うロケット団のごとく、常にひよりを追い回してるギャグキャ・・・苦労人。
この謎めいた二人の関係性と、ひより縁結びにかける異常な執着の理由が個別ルートの焦点となっていきますが、そこには恋愛に関して文字通り「魔法」が絡んでいて・・・
内容としてはひよりルートがドラマチックより、未羽ルートがほのぼの系って感じでしょうか。
「鳳城 詩名」、「日野原ちよ子」
続いてはこの2人の陰陽コンビ。まずは陰担当「鳳城 詩名」。物語途中でやってくる転校生。
無口で不愛想、しかも毒舌と人を寄せ付けない雰囲気を持っているものの、主人公側の面々がマイペースかつゴーイングマイウェイな人物が過多なので、強制的にツッコミ役といじられキャラを押し付けられる可哀そうな子。強く生きろ。
それで片割れの陽担当は「日野原ちよ子」、いまをときめくユーチューバもとい・・・マイチューバーを目指す女の子。常にハイテンションかつ厚かましいとフレンドリーの中間くらいの温度でに絡んでくるんだけど、どこか憎めない系の後輩ですね。
動画投稿者の例に漏れず、飢えた獣のように動画のネタを探しています。貴様も実況動画にしてやろうか!
それでこの2人、とくに詩名の方は主人公とはのっぴきならない因縁があり・・・。詩名との話のなかで明かされる世界の秘密が、最後のルートへの布石となっていきます。
「鷺澤 有里栖」
そして最後がD.C.4のメインヒロイン「鷺澤 有里栖」。主人公の出自に関するストーリーに踏み込む二乃、諳子、ひより、詩名の4人のルートをクリアすると現れるグランドエンディングルートを担います。
国を代表する財閥「鷺沢家」の令嬢であり、持ち合わせる権力と社会的立場にはもはやお嬢様というより一国の姫。だがその立場を鼻にかけず、変にひねくれることもなく、あくまで普通の学生として周囲と気さくに接する同級生。
容姿も性格も超弩級な正統派ヒロインで、世の中の男子に総選挙させたら限りなく1位に近づきそうな、可愛さの最大公約数的なキャラ設定な気がしまする。逆に珍しい。
個別ルートとしては世界をめぐる数奇な命運に巻き込まれた二人が、その真相をさぐっていく話です。ややこしいとまでいかないけど少し複雑な世界の謎を一つづつひも解いていく流れで、物語としてのボリュームもなかなか。
冒険しながらゆったりと真実に迫っていくワクワク感があって、恋愛アドベンチャーとしてだけではなく、一つのファンタジーとして感動できる仕上がりになっていたと思います。
総合レビュー
ストーリー 8.5点
「この恋は世界を変える」というキャッチコピー通り非常に壮大で読み応えのある物語でした。萌えゲーそんなに興味ない人でも楽しめるんじゃないかなと。もちろん見てる方がくすぐったくなるような恋愛要素も多いですし。
一方で後半の盛り上がりに対して前半の展開はかなりゆったりしているというか、日常系4コマ漫画みたいなふわっとした話が続くのは好みが分かれるかもです。最近のゲームの会話は細かいボケとツッコミが繰り返されるような、テンポの良さが重視されがちな気がするので特に。
でも物語として芯がしっかりしているので、2週目にいきたくなる面白さはあると思います。
ワードセンス 8点
日常描写が多い作品だけど単調な感じさせない言葉選びで、個人的にはかなりよかったです。表現しにくいのですが、文体にレトロ感が漂っている気がしますね。各キャラの口癖にしかりやり取りにしかり。
パワーワードに頼らない丸めのワードチョイスの連続というか、この辺は老舗メーカーらしさと言えるかもです。
キャラクター 8点
センターの有里栖をはじめみんな優等生的と言うか、非常にヒロインらしいというか。悪い意味ではなくどこかで見たことあるようなキャラが多いような印象でした。
ただ設定がストーリーが恋愛ゲームとしてはかなり格調高めな正統派なので、それとはよく合っているかと。
エロ、グラフィック(立ち絵、モーション)7点
もとは全年齢対象ゲームの移植版だけに結ばれるまでの過程がメインだから、夜のいちゃこらはおまけ・・・とはまでは言いませんが、まあボリュームとしては控えめです。
シーンも全体的にかなり物語後半に集中していて、こう言っちゃあ難ですがアダルト用にサービスシーンを後乗せしました感は強め。とはいえクオリティーはぜんぜん悪くないです。
ただ普段から上位紳士向けゲームを嗜んでいる人には、ちょっと物足りないかもですね。その分ストーリーにご期待を。
その他加点要素 5点
今時のゲームと比べるとヒロイン造形、ゲームの進行、キャラのやり取り、ワードセンスに昔っぽさがあって、そのせいかわかりませんが、非常にノスタルジックな雰囲気を感じました。
この独特の世界観は、最近萌えゲーを離れている人とかにもぜひ味わってもらいたいなーと。昔懐かしいあの頃を思い出せるかも。こんなキラキラした過去はなかった?。。。それはそう。
評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8点
- エロ&グラフィック : 6.5点
- その他 : 5点
総合評価:35点(50点満点)
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