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アオナツライン 感想&レビュー動画
概要
『アオナツライン』は2019年に戯画から発売されたゲーム。
同年の萌えゲーアワードでシナリオ賞・金賞を獲得しました。 特別な夏に「何か」をしようと奔走する少年少女のピュアな恋と絆の物語です。
戯画はもう解散していますが、コンシューマー版に移植もされています。
評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8点
- キャラクター : 7点
- エロ&グラフィック : 7点
- その他 : 5点
総合評価:35点(50点満点)
メーカー:戯画
原画:うみこ
シナリオ:大地こねこ・冬野どんぶく
キャスト:
小鳥居夕花(向坂 海希)
実羽ゆうき(仲手川 結)
夏和小(椎野 ことね)
安東朝夜(榊 千尋)
キャラクター紹介
向坂 海希
主人公をたっくんと気さくに呼ぶ、元気印の幼馴染というどストレートなヒロイン。
夏を具現化したような明るくかつさばさばした姉御肌だけど、ちょこちょこ無茶なワガママを要求してくるお姫様。
とはいえ基本的にはムードメーカーで世話焼き上手で、頼れるみんなのまとめ役って雰囲気をまとっています。
まさにThe良い女。先発もリリーフもこなせるエースピッチャーです
実は本作主人公の親友というポジションで榊千尋というキャラがいるんですが、萌えゲーによくいる添え物的な友人ポジとは一線を画す重要キャラで、主人公と海希、そして千尋の関係が物語の根幹を形成しているんですよね。
男:女が2:1形式の三角関係的な。隠しコマンドを入れると千尋くんルートに突入します(嘘)。
ゆえに個別ストーリーは切なくも泣かせるつくりでした。たとえ歪んだ軌道でも、駆け抜けたその軌跡がかけがえないのである。
小鳥居さんのフレンドリーな声が快活な幼馴染というキャラにがバチバチにはまってて最強でした。
仲手川 結
年度の初めに転校してきた正統派お嬢様系ヒロイン。
もちろんどがついた天然だ!常に頭のなかがメルヒェンでポエミー。ホワホワ電波を飛ばしております。
萌えゲーあるあるですが、お嬢様キャラは天然とか変人みたいな設定をふられがちですね。
だから出合い頭にアンジャッシュ式ミスディレクション告白してきても仕方ないのです。なんと罪深い。
ただ一方で謎の信念としたたかさを持ち、お嬢様学校から転校してきた理由も「男友達も交えた青春をしてみたい」という驚きのもの。
思い込んだら一直線、ストレート自慢のパワーピッチャーですな。
実際彼女のバイタリティーが停滞していた三角関係に変化を促したわけで、本物語の原動力となった存在と言っても過言ではない。
個別ルートはそんな無敵っぽく見える彼女にもいろいろ悩みがあって、みたいな話が繰り広げられます。
ところどころ声がおせっかいおばさんぽくなって可愛くないのがかわいかったです。
椎野 ことね
5人目の仲間として加わったツンデレ後輩。
私のことなんて誰もわかっちゃくれないの期まっただなかで、年下のくせに謎に攻撃的な態度をとってきます。
ぼっちのくせに毒舌家で寂しがり屋のくせに他人に冷や水をぶっかけまわる。
そのくせ放っておくとすねるという、心が多様な屈折をとげている、現実だったらぼっち間違いなしの低速変化球しか投げてこない軟球派投手。
現実にいたらけっこうヤバそう・・・。
個別ルートはそんな問題ガールが急に女子力を振り回してなついてくる過程みたいなものが描かれます。
内容としてはざっくり言うと芸能界もので、個人的にキャラもストーリーもあまり好きな部類ではなかったですが、そんなにあくは感じさせない仕上がりでヒロインも最終的にはやっぱ可愛く見えてきましたね。
まあ夏和小さんのデレ声はガー不即死だから致し方ない。
以上の3人がメインヒロインです。
総合レビュー
ストーリー 8点 ワードセンス 8点
夏と海、若さゆえのノリと暴走、友情と恋愛の狭間の甘酸っぱい恋愛。
透明感のある絵柄や情緒的な音楽と相まって、とにかく爽やかさを追求したような造りの萌えゲーでした。
先ほど主人公と海希、親友の千尋との三角関係がーみたいな話をしましたが、恋愛だけに留まらない友情や絆、ちょっとしたすれ違いに夢に立ち向かう苦悩とか繊細な心模様をしっかり描いているのがとても良かったです。
全体的に話のテンポがよくてぐだった会話がないのも好印象。
ボリュームという意味ではやや少ないですが、その分内容が引き締まっていて続きが気になって一気に進めてしまうくらいには引き込まれるものがあったから、私としてはちょうどいいくらいかなと。
設定上、主人公がけっこう内向的な性格なこともあって、世界観は爽やかだけど雰囲気はけっこうしっとりしてるってくらいでしょうか。人を選びそうなのは。
キャラクター 7点
物語の作風に合わせてか、ビジュアルも内面もわりとシンプルな感じですね。良い意味でさらっとしてくどさがないといいますか。
制服とかめっちゃシンプル!
意外と思い切ったデザインな気がします。萌えゲーの制服は脇丸見え&へそ出しだったり、袖がシースルーだったり魔改造されてることも多いというのに。
主人公が徹底的に凡人で凡人らしい思考と、凡人らしい悩みを抱えているのも共感しやすくていいかと。
人によっては古の記憶がフラッシュバックして、ぐあああああ!ってなるかも。
CVもとても良かったと思います。
4人目のヒロイン千尋君を含めてキャスティングがすごいはまっておりました。
グラフィック&エロス 7点
エロス方面に関してはちょっと評価しにくかったです。
何と言うかそのー・・・萌えゲーってまあヒロインたちとのいちゃいちゃを目的にプレイするんですが、シナリオの内容とかによってはいざサービスシーンが始まると「うーん・・・何か違うな」って思っちゃう時があるんですよね。
いや君たちにそれは求めてない的な。
本作もプレイ前からそんな予感はしてたんですが、まさにそれでした。まあストーリーとキャラが全体的にキレイすぎたからそう感じたのかなーと。
ということでエロス方面としては私は若干はまらなかったですが、決してクオリティーが低いとかはないと思いません。でもなくてもいい・・・ぼそっ。
その他加点要素 5点
やっぱり作品としてはストーリーが良かったですね。
単なるいちゃこらだけじゃなく、思春期ならではの男女というものがくっきりしてきて、恋愛という概念が現れるからこそ芽生える、その時期に独特の感性みたいなのを扱っているのは恋愛ネタとしてちょっと珍しいし良かったと思います。
締めもバシッと潔く筆を置いてキレイに余韻を残しているのもいいし、ぜひ夏にプレイしてもらいたい萌えゲーですね。
総合評価
- ストーリー : 8点
- ワードセンス : 8点
- キャラクター : 7点
- エロ&グラフィック : 7点
- その他 : 5点
総合評価:35点(50点満点)