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アマカノ2 感想&レビュー動画
概要
2020年に「あざらしそふと」より発売されたゲーム。
同年の萌えゲーアワードで純愛系作品・金賞を獲得した作品。
甘い彼女とのタイトル通り、とにかく恋愛に特化した作品で、心理面の描写にとにに力を入れている点が特徴です。2022年3月にPerfect Editionが発売して、立ち絵を裸にすることができるようになりました(重要)。
評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 7点
- エロ&グラフィック : 8点
- その他 : 4点
総合評価:33.5点(50点満点)
あらすじ・ゲーム概要
「アマカノ2」という名前の通り当然過去作があり、最初の無印の「アマカノ」が発売されたのは2014年12月。
その後続編となる「アマカノ〜Second Season〜」
「アマカノ」の後日談を描いたファンディスク風味の作品「アマカノ+」
同じく「アマカノ〜Second Season〜」の後日談である「アマカノ〜Second Season〜+」
がおよそちょうど1年刻みでリリースされています。
今回の「アマカノ2」も歴代シリーズの特徴は継承していて、過去作のヒロインがゲスト出演するという定番の演出も用意されてますが、作品自体は完全独立新作なのでプレイしてなくても問題ありません。
あらすじについては・・・それほど語るべきことはないですね。
本作は恋愛、とくに心理描写に特化しているような作品で、登場人物の内面の変化を丹念に描いているぶん、外側ではさほど大きなことが起きないんですよね。本当に何気ない日常の一コマでしかないといいますか。
もちろん学園物ならではのイベントはありますが、特筆するほど劇的な展開とかはほぼなし。
それを反映してか本作は「甘え度」と呼ばれる概念が存在しており、主人公の行動によってヒロインの甘え度パラメーターが変化してどの個別に入るか決まるって構成になっています。
キャラクター紹介
黒姫結灯
長い黒髪のポニーテールが目を引く大和撫子な転校生。
物腰が柔らかく明るい性格でクラスにもすぐに馴染みますが、一方で理由もなく学校を休んだり、「宝探しをしてる」などと含みのある言動をすることもある謎めいたヒロイン。
露骨に自分を隠していたり斜に構えているってわけではないですが、どこかミステリアスな雰囲気をまとっていますね。
個別ではその隠している秘密を解き明かしていく流れになりますが、ルート的には一番良かったです。一番山あり谷ありという感じで。
本作各女の子のに「恋をしないヒロイン」、「恋を知らないヒロイン」、「恋に興味がないヒロイン」というキャッチコピーが付けられていて、結灯は「恋をしないヒロイン」なのですが、
なぜヒロインが恋をしないようになったのか、そしていろいろあって恋をするようになってから、反動で色ボケしていく過程とかがしっかり描かれていたのが良かったですね。
立ち絵の表情がストーリー展開に応じて変化していく演出も良き。
なんか笑顔よりクールな視線な方が愛嬌があるように見えてくるんですよね。
直球に思春期な一つのテーマをじっくりと掘り下げた良ルートだと思いました。
蔦町ちとせ
「恋を知らないヒロイン」
主人公の家の隣の喫茶店「緋衣亭」の看板娘。幼少期からともに過ごしていたため姉のような関係性で、ほぼ家族のように日常的に接しています。
持ち前の人当たりの良さから学園では人気者で、常におねえちゃん属性を振りまいて、家のわんこがごとく主人公を甘やかしてきます。
家事万能で世話焼きしかもスキンシップ激しめ。
嫁にしたい要素を煮詰めて固めたようなヒロインですね。
天然でほんわかしてるけど怒る時ほど笑うタイプ。
そして小柄だけどちょっとこう物理法則と生態学を無視したような立派な胸が特徴です。でも上半身裸の男を見ただけで気絶します。むっつり。
とまあ前世が大犯罪者で人に尽くす禊をおこなってるのかと思うほど、現実離れした聖母系ヒロインで、個別ルートではいわゆる今まで家族として接してきたのに関係性が変わってギクシャク、そんなすったもんだが描かれます。
氷見山玲
「恋に興味がないヒロイン」。
学園に通いやすいからという理由で突如家におしかけてきた従妹。見た目通りクールかつ極度にマイペースで無口な性格なため、そのつもりはないが周りの誤解をうむ問題発言をしがち。
しかも世の中の全てをライブラをかけるような分析眼で見つめ、合理的か否かで判断している超効率厨。
とはいえ感情がアンドロイドみたく平坦ってだけで決して冷血ってことはなく、むしろわりと他者の機微には敏感なほうです。
ちょっと屈折してたり天然だったりする他2人との落差もあって、むしろ一番人間臭さみたいなものを感じました。
突然調子はずれのソングを歌唱しだしたときとか、やべーアホ可愛いと思いましたね。
総合レビュー
ストーリー 7点
画は今風ながら世界観も展開も、レトロさすら感じるド直球に王道な美少女ゲームって感想です。
全編を通じて心はゆるやかに変化しつつも、シーンとして大きく盛り上がったりせず、短めのカットで比較的平坦な日常描写が続くのが特徴。
概要でも言いましたが骨となるストーリーがあるというより、ヒロインを引き立たせるために各種イベントが発生するって感じしょうか。
サブキャラも登場しますがモブ感強めに描かれていて、基本の構図は主人公とヒロインの1vs1。
2人だけの世界をがっつり切り取っているのが本作の魅力ですね。
ただもう本当に恋愛特化、心の動きだけを追っているような構成なので、プレイ中は楽しいですが振り返るとこのシーンが良かったとか、強く心に残るシーンがあまりない印象も受けます。
私個人としては結灯ルートはめちゃ良かったですが、ちとせと玲は延々といちゃいちゃしたまま突き抜けていったぜ爆発しろみたいなイメージ。
ラブラブカップルの壁になりたいみたいな人にはすごい刺さりそうです。
ワードセンス 7.5点 キャラクター 7点
直球に恋愛がテーマの作品なだけに女の子の言動なり仕草なりを、細かくあれこれ描かれている点がテキストとしての特色かなと。
頻繁にヒロインサイドに視点が移ってヒロイン側の心理もけっこうしっかり文章化されるます。それだけに次元の向こうのキャラっていう感が薄く、身近に感じやすいのではないでしょうか。
ヒロイン設定はかなり細かく練られてますね。感情の緩やかな変化をできるだけ丁寧に描こうとしている感じは、コンセプトとして一貫していて良いと思います。
萌えゲーは告白だあ!キスだあ!速攻Hだあ!みたいにエロまで一直線みたいなことも多いですが、じれったいくらい段階を積み重ねていく過程が純愛を突き通してる感じでいいですね。
一方でちょっとひねくれた目で見るなら全体的に言葉がクサいというか、現実でこんなこと言ってるやついたら自分に酔いすぎだろと突っ込みたくなるような台詞が多用されます。この純度高すぎる言い回しに背中がかゆくなる人は向かないかも。
ちなみに私はベランダに干してるシャツを引きちぎりたい衝動と葛藤しながらプレイしてました。
もちろんそれが本作の良さでも魅力でもあると思いますが。
グラフィック&エロス 8点
さっきもちょっと言いましたが、立ち絵はポーズだけでなく表情の差分もけっこう多く、関係の変化に応じて見せてくれる顔がちょっとずつ変わるんですよね。
これはすごい良いと思いました。恋人だけに見せる顔って感じで。
あとグラフィックで言うなら、アンダーヘアのON・OFFができる点に制作者の果てしないフェチズムを感じました。同士(開発側)に限りないエールを。
まあ私は別にジャングルでも不毛の大地でもどっちでも良いんですが、切り替えるという行為に意味があるかと。
あと純愛系作品だけに前戯がしっかりしてるの点も付け加えておきます。
その他加点要素 4点
やっぱり愚直なまでに恋愛に、それも心の動きにフォーカスをあててそれ以外を切り詰めた構成に、作品としてのオリジナリティーを感じました。
ですが王道の学園恋愛ものに見えて、あまりにもいろんな意味で純度が高すぎるゆえに、逆にけっこう好き嫌いがはっきり分かれそうな気もします。果汁100%ジュースみたいな。
ただピュアラブが大好物って人には間違いなく推せる1本です。
評価
- ストーリー : 7点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 7点
- エロ&グラフィック : 8点
- その他 : 4点
総合評価:33.5点(50点満点)