「ハミダシクリエイティブ凸」をプレイしての感想
概要

「ハミダシクリエイティブ凸」は2022年11月にまどそふとより発売されたゲーム。
2020年にリリースされて同年の萌えゲーアワードで準大賞をとった「ハミダシクリエイティブ」の続編となる作品です。続編であってFanDiskではありません。違いはいまいちわかりませんが。
前作の解説はこちらから。
まどそふとを代表とする一作として人気を集めており、兼ねてから制作が仄めかされていましたが、2年の月日を越えてついに発売とあいなりました。
私は本作を非常に高く評価しており、もし「何も知らない萌えゲー初心者にあえて1本だけおすすめを選べ!」と言われたら、迷ったあげくにハミダシクリエイティブを勧めるかなと。それくらい総合力が高く万人受けする作品と思っています。
ハミクリ凸の内容としては前作ではサブどまりだった「竜閑天梨(りゅうかんあめり)」が攻略ヒロインとして昇格。前作の4人のメインヒロインのその後を描いたアフターストーリー×4も収録されています。
総評

全体的な感想としては新機軸を打ち出すというより、原典であるハミダシクリエイティブを非常に大事にした作品だったなと感じました。
もちろん個別ルートの続きということで、ある程度こう物語も動くのですが、ざっくり言えば「あの時は実はああ思っていた」みたいな振り返りとそれにまつわるエピソードが多く、こう前作では駆け足気味になってしまっていた部分を補完するような話が多かったですね。
元からかなり人気が高くコアなファンも多そうな作品だったので、この路線は商業的にはすごく理にかなっているかなという感想。
そうそう、新キャラで生徒会役員の後輩×2が登場することもセールポイントだったのですが、思ったより活躍が控えめでした。

というか詩桜→華乃→アメリ→あすみ→妃愛という順序で攻略したのですが、あすみ√終わっても影も形も見当たらず「え・・・新キャラどこ・・・?」って当惑しました。
まあ新キャラの投入は必ずしも+要素たりえないので、慎重になったのかなあと思ったりしたり。ただ妃愛の話をキレイに終えるには確かに必要なキャラでしたね。
以下に各ルートの雑感を書いてみます。
竜閑アメリ√

続編の目玉である前作でサブヒロイン枠だった同級生読モ「アメリ」との物語。
時系列的には各個別へと分岐する本編の夏休みボランティア合宿編の続きからのスタートという立ち位置です。
本作はハイスペックな能力を持ちながらも学校、組織、人間関係など様々な社会的なものからハミダシてしまったヒロインたちとの恋物語となるわけですが、アメリがハミダしてしまったのはクラスでの交友関係。
なんか笑っちゃうくらい女の嫌な分を煮詰めたようなギャルたちとのグループに属していたのですが、読モの仕事で人気が出て忙しくもなってしまったことから嫉妬の的にされてしまい、そこに主人公が救いの手を差し伸べたことから恋が始まります。
持ち前の明るさとクラスカーストの最上位層に位置する交友力で、生徒会の停滞ムードを打破してくれる功労者だったので、光があたってくれるのは嬉しく思いますね。
このアメリというヒロインがめちゃ健気でいい子ってだけでなく、なかなかカッコイイのですよ。理不尽にさらされても壁にぶち当たっても、めげることなく不貞腐れることもなく立ち向かっていく。その強さに惚れました。
それでいてしっかり主人公を立ててくれますからね。アメリと付き合った男は間違いなく幸せになれるでしょう。
常盤華乃√

人気イラストレーター兼超絶めんどくさい女オタク同級生とのアフターストーリー。
変わらず奔放でぶっ飛んでいたようなイメージですね。君えっちに貪欲過ぎない?その痴女度合いでヒロインは名乗れなくない?
ただ付き合って以降は単に可愛いヒロインになってしまった・・・みたいなことなく、最後までこのめんどくささを維持した点は心から賞賛します。
女性ならではのコンプレックスや陰キャの特性をごりごりに掘り下げたようキャラ造形なのに、なぜか萌える。オタクヒロインの究極進化系のひとつと思っています。
鎌倉詩桜√

天上天下唯我独尊な上級生とのアフターストーリー。
私は実は詩桜先輩が一番キャラとしては好きなのですが、無印の個別ルートのストーリーはけっこう「えいや!」と力技ぎみだった感じもあったので、細かい心情の変化とかも含めていろいろ丁寧に描き足してくれたことに関しては嬉しかったですね。

水着で登場した時は思わず歓喜の雄たけびを上げました。まあ水着えっちはなかったんですが。
唯一残念な点としては詩桜先輩ルートということで莉々子さんも出るのですが、やっぱりちょい役程度でそんなに絡んでくれませんでした。莉々子さんとミリ先生の個別を加えた続編もしくはアペンドを頼むまどそふと殿・・・。
錦あすみ√

天使可愛い放課後Vtuberとのアフターストーリー。
華乃、詩桜、妃愛が前作の忘れ物を拾うような構成だったのに対して、あすみんだけはVtuberとしてスターダムを駆けあがる、純粋な後日談を中心に描いた物語だったと思います。
まあ、あすみんは他3人よりは心理的な屈折が少なめですし、主人公という理解者に出会えたことでほぼほぼ諸問題は解決してますしね。
というわけで終始イチャイチャしてるだけでした。ごちそうさまです。
和泉妃愛√

天の寵愛を受けし超人気声優である妹とのアフターストーリー。
前作の終わり方が終わり方だけに、これどの方面に行くのかなと一番気になっていた√でもありますが、諸々のことにキレイすぎるほど決着をつけて大団円でしたね。
家族愛と異性愛、その両方をどちらに偏りすぎることもなく貫いていて、常人では到達できない真の愛の領域に手を取りあって駆けていく美しい話でした。ちと愛らしすぎるなひよりんは。
以上、素晴らしい作品でした。
萌えゲーの最前線って謳い文句も大げさではないかと。萌えゲー初プレイor 初心者って方にも手放しで勧められますね。
ぜひ前作と合わせてプレイして下されい。
[…] 優菜役で出演してますが、私的にはハミクリ凸の神田 […]