萌えゲー解説

「神様のしっぽ 〜干支神さまたちの恩返し〜」感想&レビュー動画【DESSERT Soft】

神様のしっぽ 〜干支神さまたちの恩返し〜 感想&レビュー動画

概要

『神様のしっぽ ~干支神さまたちの恩返し~』は2020年にDESSERT Softが発売したゲーム。

本作の特徴は干支の動物がヒロインとして顕現しているということ。つまりヒロインが12人(+1人)もいるということです。なかなかチャレンジングな意欲作ですね。

また「家族」もテーマに据えているハートフルコメディで、ラストはほっこり感動できます。

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公式サイト
FANZA

評価

  • ストーリー : 7点
  • ワードセンス : 7点
  • キャラクター : 8.5点
  • エロ&グラフィック : 8点
  • その他 : 3点

総合評価:33.5点(50点満点)

あらすじ

しがない田舎で暮らす普通の学生「天部秋成」にはとある力があった。

それは動物と言葉でコミュニケーションできるというもの。

特異な能力ではあるものの普段は大好きな動物と触れ合うときくらいしか利用せず、あとは平凡な日常を過ごしていた。

しかしそんな日々はある日劇的な変化を遂げる。

お世話になっている浅葱家が宮司を務める神社の倉庫で見つけた石盤に触れたことがきっかけで、神社に祀られている十二支の像が人の姿をした「干支神」様として顕現してしまったからだ。

奇妙な成り行きのもと同じ屋根の下暮らし始める主人公と神様たち。

そうこれは普通の少年が神様と「家族」の関係を結ぶ話なのである。

・・・といったストーリーです。この家族が干支と並ぶ本作の中核テーマ。

存在の違いを乗り越え神様と人が家族の絆を結ぶ、心温まる話です。

キャラクター紹介

ちづ

司る干支は子(ねずみ)。

すばしっこくてずる賢い問題児でいかにもネズミという性格の下級生。

毎度のこと痛い目をみつつもいつも悪戯の機会を狙っている、生粋のトラブルメーカーです。

まあそれが少し屈折した彼女なりの、コミュニケーション手段だったりもするんですが。

おのおの個性はありつつも比較的人間に対して好意的な干支神たちのなかでも、人間に対して複雑な感情を持っているキャラであり、干支の並び順でいっても筆頭ということもあってか物語の鍵となるポイントで場面で絡んでくることが多めです。

はるか

司る干支は牛。

いつでも眠そうにふらふら歩いてる上級生。というよりほぼ夢遊病者。

壁にぶつかりそうになる彼女をを救うところから、ラブストーリーは始まります。

この設定は食べてすぐ寝ると牛になるという、言い伝えが設定のモチーフかなと。

ベースが牛なだけにもちろんバストサイズは作中でも最大。圧巻のB105。

もちろんこの特徴を活かしたプレイもあります。

搾乳ミルク直飲みバブプレイを堪能せよ。

あまね

司る干支は寅(とら)。

獣の王たるにふさわしい高貴なるお嬢様風の立ち振る舞いの生徒会長。

プライドが高いがそれにふさわしい優秀さがあり、自由すぎる校風のせいで忙しい生徒会の業務を日々精力的にこなしている。

ハイソで近づきがたい雰囲気もあるがそれは仮面であり、本性はスケバ・・・かなり直情的でふとした瞬間に激情家としての顔が見えることも。

とあるトラウマがきっかけで人前に立つのを苦手としています。

あ、虎は発情期のある動物です。何を意味しているかは・・・わかりますね?

みゆき

司る干支は兎。

いつも礼儀正しく奉仕の心を忘れないメイド。

普段は学園長であるききょうのお付きをしつつ、何やらよくわからない暗躍をしています。

家事から諜報、脅迫、暗殺までなんでもござれ。メイドという仕事には並々ならぬ誇りとこだわりをもっており、安易に妨げようとすると死の予感。

いつもニコニコしてますがが有無を言わさぬ妙な圧も持ち合わせており、糸目の奥を覗こうとするならばそれは、あなたが目にする最後のものとなるでしょう。

超越系強キャラ感が強かったですが、個別ルートは意外と可愛かったです。

ききょう

司る干支は辰(りゅう)。のじゃロリ!のじゃロリ!

学園の長も務めている干支神。干支神のなかでも最年長であり、とくに神性の高い特異な存在なこともあってかまとめ役件ご意見番のようなポジション。

小柄ながらかくしゃくとした佇まいで、学園内外からの人望も厚いです。

神通力というほぼ何でもありなスキル持ちで、神の顕現という世界トップニュースになりそうな事態でも平凡な日常がおくれているのはほぼ彼女のおかげ。

のじゃロリということで上から目線お仕置きプレイもあります。

ああいけませんききょう様!そんな言葉を発しながらナニを足で踏むとかいけません!

それ無しだと興奮できない専門家ばかりになってしまいます。

れいこ

司る干支は巳(へび)。

学園で保険医を務める無駄にセクシーな先生。キャバ嬢かな?

自分勝手、汚部屋の住人、大酒のみとダメな大人の詰め合わせセットですが、これはこれで需要はありそう。

己の欲望にとことん忠実な性格で、仕事のかたわらいつも怪しい薬品の調合をしています。

この辺りの設定はたぶんヘビが医療・医薬のシンボルとしてよく描かれる動物ということからきてそうですな。そういう意味ではストレートな設定。

ただの放蕩お姉さんに見えますが、干支神のなかでもききょうに次ぐ長い年月を神として過ごしておりそれなりに強大な神通力を有しているようです。

じゅん

司る干支は午(うま)。

ポジティブで大雑把で誰に対しても明るく気さくに接するボーイッシュなスポーツ娘。

陸上部に所属しており朝も夜も鍛錬は欠かさないが勉強は少し苦手。

クラスメイトというだけでなく主人公とは同居人という関係でもあり、親友であり幼馴染といったような設定です。

干支神様たちが顕現したのは物語が始まってからなのに幼馴染・・・?と思うかもしれませんが、この辺りはあとで解決します。

ダサエロいタンクトップと健康的なボディーとへそが私を狂わせてくる・・・。

もともと友人という立場なだけに、干支神様という美少女が急に主人公に群がり始めたことが少し面白くないもよう。

このやきもちを焼いてくれる感じが正統派負けヒロインっぽくて実にいい。

さゆり

司る干支は羊。

学園の牧場で動物たちのお世話をしている農業ガール然としたヒロイン。

常に健気で主人公に対する一途ないじらしさを忘れない、素朴な感じの女の子です。

干支神化したときに関係の深かった妹姉羊も人間化してしまったので、姉として面倒を見ています。その心、まさに汚れなき純白の羊毛がごとし。

主人公には初期値で好感度高めで慕ってくれており、面子の濃さからシュールな方向に行きがちな会話を素直なリアクションで本線に戻してくれるいい子。

羊の特徴と言えばやっぱりその毛。そう、それを活かした毛刈りプレイが・・・!

ありそうだったけど未遂で終わりました、無念。

さすがに毛刈りプレイは上級者すぎたか。

でもご安心ください羊スキーのみなさま。この子のもう一つの特徴はその奥ゆかしい性格にふさわしい陥没乳首にあります。ありがたや。

たかみ

司る干支は申(サル)。

常にアニメやゲームの消化に追われているオタクで、2chに生息しているかのような発言を繰り返している同級生。

重度のオタクで引きこもりですが、クラスの委員長を務めてます。

萌えゲーの友人ポジのタイプのひとつにある、参謀系の悪友みたいなヒロインって感じでしょうか。

ゆえにどっちかと言えばヒロイン的な役割が抑えられてますが、物語と会話の進行に関しては音頭をとってくれる功労者。

設定をかさにかぶってやりたい放題ネタをぶっこむ困ったちゃんでもあるんですが。

みそら

司る干支は酉。

干支神さまたちが降臨した日に急に赴任してきた先生。

見た目は子供、言動も子供。口を開けばロリボイス。

モデル鶏なため記憶力が乏しく、ついさっきのこともすぐに忘れてしまいます。

なぜ先生の職務が務まるのか・・・。まあ基本ポンコツなものの努力家で生徒想いの良い先生なんですが。

人間体の維持が不得意で酉の姿で過ごしていることが多いです。ビジュアル的にブン屋の某烏天狗を重ね合わせてしまうのは私だけだろうか。

さっきからちょこちょこ話題にしているように、本作はヒロインが動物という設定をサービスシーンでも活用してるんですが、みそら先生に関してが一番衝撃的だったかも。

ヒロインの産卵サポートとかカルチャーショックも甚だしかったです。

いやあまさかハードな触手ものならともかくさあハートフル純愛ラブコメでヒロインに産卵させるとは。

私は井の中の蛙だったと痛感しました。

あきら

司る干支は戌(いぬ)。

干支神寅のあまねに仕える執事にして副会長として生徒会を支える2本柱のひとつ。通称王子。

戌役を務めるだけに忠誠心が強いという設定です。

まあ僕というよりあまねに心酔しているファンといった感じですが。

男装の麗人といったコンセプトのヒロインで俺っ娘。

所持している刀はかの有名な天下五剣のひとつ「童子切安綱」で、本人の性格があれなのか所持してる剣が呪われてるのか、あまねに近づこうとする主人公を異物としてことあるごとに切り捨てようとしてきます。

真面目すぎるあまり融通が効かず、無駄なものは排除というのが基本思考のため最初はそこそこ険悪な雰囲気でしたが、いろいろあって徐々に打ち解ける流れになります。

当然ながら申のたかみとは犬猿の仲で、顔を合わせればラップバトルを繰り広げる関係。

あんこ

司る干支は亥。

あまりあるエネルギーを発散せんとつねに走り回っている爆進ガール。

小柄、最年少ながらモデルが猪のためとりわけ頑強な体をもち、人間離れした膂力と突進力があり近づくと吹っ飛ばされます。常時キラーと思ってくれればOK。

悪意なくトラブルを引き起こすけど反面ムードメーカーでもあり、無垢すぎる言動で本質をつく切り込み隊長

ずどーんと懐にツッコんできてくれるし会うと思わず元気になれそうな輝かしいオーラを纏っています。

こんな女の子ににーにと呼んでもらって抱き着いてもらえるなら、さばおりで背骨が折れてもいい。

朝葱蓮華

主人公がお世話になっている朝葱家のひとり娘であり、幼い頃からずっと共に過ごしてきた幼馴染。

器量がよいことはもちろん働き者で、かつ誰にでも分け隔てなく優しく接する非常にできた人物。しかし怒らせるとは背に百式観音が顕現します。

本作の核心と命運を握っています。

総合レビュー

ストーリー 7点

基本線としては動物をモチーフとした神様たちとのほのぼの日常コメディーって感じで、もちろん萌えゲーだからイチャイチャ要素はあるんですが恋愛色はそこまで強くなく、むしろ死生観、そして家族の温かな絆を描いた感動系の話と言えるんじゃないかなと思います。

本作のシナリオについては・・・けっこう採点に迷いました

本作構造としてはまずプロローグがあってその後各干支神様の個別×12があり、最後にTRUE√って流れなんですが、正直プロローグおよびまでは個別√×12あまりはまらなかったんですよね・・・。

ちょっと各エピソードがパワー不足気味というか。

ただTRUE√はすごく良かったです。

分離できるのものではないですがTRUE√手前までは6点、TRUE√は8.5点って感じでしょうか。

というのもやはりヒロインが多すぎるあまり、ちょっと無理が生じてる感じがどうしてもあるんですよねえ。単純に考えて通常より尺が1/3のくらいになってしまうわけですし。

しかも本作副題にもあるように「恩返し」の話なんですよね。

つまり各ヒロインたち主人公に何らかの恩があって、その話も盛り込まねばいけないと。

かつあらすじで述べたように本作は「家族」がテーマの作品でもあるので、ヒロインたち全員と対等な家族としての絆を結ばないといけない。

しかも萌えゲーだから全員とヤルこともヤらねばならない。

要は何が言いたいかっていうと、本作の主人公はRTA走者なみのマルチハードタスクが課せられているってことです。

ゆえにちょっとこう節々に強引さがあるというか、起承転結の起の部分はかなり力技な感じがあるし、枠に当てはめるためにちょっと無理に穴埋めしてる感のあるエピソードがちょこちょこはさまります。

おもちゃの飛行機を渡したら家族?・・・うーん?・・・みたいな。

あとRTAを走り切るためにか主人公にとにかく動物が好きで家族に対して並々ならないこだわりがある、等のあれこれ設定があるんですが、けっこう極端でいやそうは思わんやろみたいな思考やそうはならんやろみたいな展開がちょこちょこあり共感しにくいのも短所に感じました。

いやこれについては最後までプレイするといろいろ納得できるものの、脱落者を生んでしまいそうで物語の欠点として見過ごしがたい。

ただ全部の物語がいまいちってことはないんですけどね。個別入ってからは獣ヒロインならでは話とかでてきて興味深くなりますし。主に寅、兎、羊、戌あたり。

何よりラストですね。

非常にキレイかつほっこり感動的に終わらしてくるので、振り返ると決して悪い印象はない。

まあ私はレビューなんてしてるから理屈でぐちゃぐちゃ言いましたが、それまでの不完全燃焼感を拭い去るくらい最後がいいので、ラストまでやれば満足感あるとの評価です。

そのあたりの色んな思いをひっくるめて7点ということで。

ワードセンス 7点

終盤にかけてけっこうシリアスな雰囲気が加速していきますが、大部分はほのぼのした日常を描いた明るい作風でわちゃわちゃ色んなキャラが出てくる作品の特色と合ってると思いました。

冒頭から凄まじい勢いでパロディやネタとかネットスラングとか、有名キャラの決め台詞とかを投下してきたのはちょっとビックリしましたが。

この辺とかまったくボカす気すらないけど怒られたりしないんだろうか。集英社とか任天堂に。

キャラクター 8.5点 グラフィック&エロス 8点

シナリオに関してはいろいろ言ってしまいましたが、キャラクターに関しては手放しで素晴らしかったと私は太鼓判を押します

各ヒロイン動物+干支の特徴を活かしつつ、ビジュアル内面の共に可愛くかつ個性的に仕上がっていると感じました。

これだけ多いとどことなくキャラがかぶってたり、影が薄いキャラがでたりしそうなものですが、満遍なく登場して活躍するのですごいバランス感覚が良かったですね。

ヒロインの特性を活かした各種Hも用意されてますし、練りこまれてます。

まあヒロインがあまりに多すぎるので一人あたりの立ち絵差分やCGは少ないんですがそれはまあ当然なので。

その他加点要素 3点

ヒロインの多さがプラス方向のみに作用しているかというとちょっと疑問ですが、やっぱりユニークではあります。

次から次にヒロインたちが立ち代わり登場するのは、アニメっぽくて私は好きでした。

あとはそうですね・・・この点はあまりツッコんじゃいけないかもですが、多少こう、制作サイドの苦心を感じる部分が感じられなくもない、笑。

あ、これフリーBGMだなー、みたいな。

それはまあ・・・予算とかあるので致し方ないところだと思いますが、人気声優さんもたくさん出ていますし。

多種多様なヒロインと交流したいって方にはオススメです。

 

 

  • ストーリー : 7点
  • ワードセンス : 7点
  • キャラクター : 8.5点
  • エロ&グラフィック : 8点
  • その他 : 3点

総合評価:33.5点(50点満点)

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