目次
「アネトモ」をプレイしての感想
概要
「アネトモ」は2022年にアトリエかぐや BARE&BUNNYから発売されたゲーム。
同年の萌えゲーアワードエロス系作品賞PINK部門を獲得した作品。
ワガママで横暴で弟を所有物のように扱う「姉」と、その姉に負けず劣らず自己中心的な「アネトモ(姉友)」たちに翻弄される主人公の受難な日々を描いた抜きゲーです。
エロスと可愛さのバランス感覚が非常によく、抜きゲーならではのテンポ感を損なわずにちゃんとキャラの魅力を引き立てている良作でした。
メーカー:アトリエかぐや BARE&BUNNY
原画:choco chip
シナリオ:七央結日、近江達裕、風間ぼなんざ
キャスト:
東シヅ(日野 瑛巳)
桃世ゆず姫(梨木 莉愛)
姫川あいり(有馬 史乃亜)
ヒマリ(園原 由依子)
評価
- ストーリー : 5.5点
- ワードセンス : 7.5点
- キャラクター : 8点
- エロ&グラフィック : 9点
- その他 : 4点
総合評価:34点(50点満点)
ゲームシステム&攻略
プロローグが終わるとこのような画面になり、昼、夜でどのヒロインと交流するかを選びます。基本的にはビジュアルノベルですが、途中でそれなりに選択肢あり。何を選んだかによって「好感度」、「淫欲」、「独占欲」が上がっていきます。
このパラメーターが中盤以降の個別ルートに大きく関わり、具体的には
好感度が7以上で独占欲0~1の時→恋愛√
淫欲度が7以上で独占欲2~3の時→淫欲√(独占欲が2か3で途中のHに少し変化あり)
へと分岐。上記の条件に当てはまらないと特殊ENDとなります(専用のCGや差分は用意されてるわけでもないので回収しなくてもいいかも)。サブヒロインとなる由依子は最初は会えないものの、途中から選べるようになります。攻略√も恋愛√のみ。
またかぐやシリーズ恒例ですが、ハーレム√も存在します。メイン3人を均等に好感度を5、淫欲度4、独占欲6にしたうえでサブヒロイン由依子の好感度を3以上に上げると、メインヒロインと3Pするおまけ√に突入可能となります。
ストーリーと作品の特徴
日野 瑛巳
主人公の実姉であり、幼いころからの「調教」によって弟に根源的な恐怖を植え付けて従僕としている暴君な性格の姉。見た目や態度はイケイケの黒ギャルのそれで、成績はあまり良くありません。
弟に対しては高圧的なイジりを繰り返すものの、それは重度で偏屈な愛情の裏返しであり、素行は悪いものの弟以外の人間にはそれなりに世話を焼いたりと良識的な一面も。
ストーリーでは文芸部の存続のために弟を強制的に入部させたばかりか、部の実績のために小説を書かせるという無茶ぶりをして困らせるも、恋愛小説のネタづくりという名目で疑似デートをするといったイベントを通じて積年の想いが爆発。ついに身も心も結ばれた仲となります。
東シヅさんの独特でしなのある可愛らしい声で、恋愛脳を炸裂させられると脳がバグるのですじゃあ・・・。
有馬 史乃亜
瑛巳の親友であり、フランス人の母をもつハーフ。見た目はギャルだが成績は優秀。とにかく主人公を溺愛しているばかりか、ことあるごとに肉体関係を迫るので警戒されています。
なんだこの痴女は・・・といった雰囲気ですが、別に誰彼構わず遊びまくっているというわけではなく、愛を傾けるのは主人公にのみ。ここまでベタ惚れな理由はいったい何故なのか・・・という辺りを個別√では掘り下げてくれるのかなあと思いきや、その辺はさらっと流して最後までオープン痴女でした、笑。まあ抜きゲーですし。
淫欲√では熱心に主人公の射精管理に励みます。
梨木 莉愛
同じく瑛巳の親友であり、抜群のスタイルで男の目を引きつつ思わせぶりな態度を振りまくものの、実際に告白されたら振るという小悪魔系女子。ダーリンダーリンと甘えてくるのがめちゃ可愛い。
共通√では恋愛小説のネタづくりということで恋愛ごっこを始めるものの、次第に本気になっていって依存しあう関係になるといった展開になります。ベタですが良かったですね。好きと明言し合わないまま愛を確認する作業を続ける二人の心の機微が素晴らしく、シナリオとしては一番お気に入りです。
園原 由依子
文芸部の顧問であり主人公のクラスの副担任でもある教師。ところどころ言動が怪しいものの、基本的には生徒思いの良き先生です。ただ相手への思いが強いあまり妄想が爆発してしまったりと、ややヤンデレの気質があるため男性経験はほぼなし(こんなエロい教師に彼氏がいないわけあるか)。
個別ルートでは年下の主人公に夢中になってしまい、可愛いところをみせてくれます。
総合レビュー
端的に言って非常に良い萌えゲーでした。アトリエかぐや作品では歴代で一番・・・いや抜きゲージャンルというくくりでも、個人的にはかなり上位に入りそうです(アニメーションのない作品ならば)。
随所に完成度の高さを感じるのですが、まずは適切なテンポ感。
抜きゲーはストーリーに力を入れればテンポ悪い、Hまで長いなどと言われてしまうけれども、物語を流しすぎても感情移入できないと評されてしまうという、二律背反を抱えていると思っているのですが、本作はバランスが理想的だと感じました。
文芸部が潰れる理由やらその解決法やら枝葉末節の部分はざっくり流し、個別のヒロインの可愛さを魅せるエピソードを軸に展開。ポイントでHシーンも挟むのでプレイヤーのリビドーも放置しない構成は、さすがキングオブ抜きゲーブランドといったところです。
ゲームとして一本道ではなく、個別ルートに突入するためにはそれなりに適切に選択肢を選ぶ必要はあるのですが、現在のパラメーターは随時チェックできるので迷うことも少ない親切な作りです。試行錯誤とユーザーからの意見をふまえて、こんなスタイルに行き着いたのかと。
choco chip氏のCGも素晴らしい。体ももちろん良いのですが、表情がとてもいいんですよね。あどけなさと蠱惑的な雰囲気が絶妙です。抜きゲーなのでCGはほぼHシーンなのですが、純愛ものの告白シーンあったらどんな感じなのかなあと、妄想してしまいます。
とまあ非常に良かったわけで不満とかはないです。欲を言えばバックログ機能があれば便利かなくらい。
総じて素晴らしかったです。個性の強いギャル姉たちにイジられつつも愛されたいという癖がある方は、楽しめること間違いないと思いますね。